メンタルストレス研究所
研究テーマは、うつ病や不安症などの
ストレス関連メンタル疾患の原因と対処法です。
職場環境のストレスとうつ病との関係
職場に勤務する方の性格傾向によっては同じストレスであっても受け取り方は様々です。そこで、どのような性格傾向がうつ病などと関係があるのかを調査しています。
現在は、どういった種類の職場ストレス(職場環境や上司・同僚との人間関係、勤務内容)がうつ病をはじめとするメンタル疾患を引き起こしやすいのか、それを予防するための日常こころがけるべきことは何かについて調査・研究を続けています。
生活習慣とストレス疾患の関連
生活習慣には睡眠や運動、栄養などの普段の日常生活の習慣が含まれます。例えば、睡眠時間が短すぎても(6時間以下)、長すぎても(9時間以上)、うつ病になるリスクが高まることが知られています。
そこで、うつ病になりやすい方や、逆になりにくい方がどのような生活習慣をもっているのかを調べることで、うつ病などのメンタル疾患を予防できるかが分かるようになるのです。
不安症・うつ病の遺伝子研究
不安症には、パニック症、社交不安症、恐怖症などがありますが、その原因には遺伝要因とストレスなどの環境要因が関係していると言われています。これまでに不安症の遺伝子研究を中心に研究を続けて参りましたが、ついに、2016年に米国やオーストラリア、欧州で結成された国際研究グループとの共同研究によって不安症に関係する遺伝子を発見し、その結果が米国の精神科 No. 1 ジャーナルに掲載されました(2016年1月12日付)。
Otowa T, Hek K, Lee M, Byrne EM, Mirza SS, Nivard MG, Bigdeli T, Aggen SH, Adkins D, Wolen A, Fanous A, Keller MC, Castelao E, Kutalik Z, der Auwera SV, Homuth G, Nauck M, Teumer A, Milaneschi Y, Hottenga JJ, Direk N, Hofman A, Uitterlinden A, Mulder CL, Henders AK, Medland SE, Gordon S, Heath AC, Madden PA, Pergadia ML, van der Most PJ, Nolte IM, van Oort FV, Hartman CA, Oldehinkel AJ, Preisig M, Grabe HJ, Middeldorp CM, Penninx BW, Boomsma D, Martin NG, Montgomery G, Maher BS, van den Oord EJ, Wray NR, Tiemeier H, Hettema JM. Meta-analysis of genome-wide association studies of anxiety disorders. Mol Psychiatry. 2016 in press.
上記以外にも、パニック症やうつ病の遺伝子研究を中心に60本以上、国際的なトップジャーナルに英文論文を出版しています。今後も引き続き、メンタル疾患の原因遺伝子を突き止めるべく、日夜研究を重ねていきます。