精神科産業医協会研修会(12/10開催)に参加しました。
特に興味深かったのは、小野浩 一橋大学教授による「長時間労働の本質とは」です。
簡単にまとめると、「これからの働き方は、個別性を重視し、コスパを考えるべき」です。

日本の長時間労働の労働生産性(アウトプット)が低いのは、文化的な役割も大きいとのこと。つまり、これまでの日本の会社を支えていたのは、「健康な成人男性」中心であり、「頑張ります」が合言葉となっており、会社への忠誠心100%の同質性集団だったのです。男性が稼ぎ、家族分の生活費を含めて給料として渡す(夫は働き、妻は専業主婦)モデルで成り立っていたのでした。
現在は、日本企業はグローバルな流れに対抗していかねばなりませんし、旧来型の会社ではどんどん潰れていってしまいます。企業に余裕がなくなったのです。今後は、日本人男性だけでなく、外国人・女性・高齢者を加えていかないと労働力も足りません。仕事の役割・責任感も明確にしないといけません(大学の先生が入試試験監督をやるのは役割不明確な業務の一つとのことです)。そのためには、現在の長時間労働環境は不利なのです。そこで、無駄を極力減らしていき、アウトプットを重視しないといけません。組織に人を合わせるのではなく、労働者一人一人の働き方に企業が合わせないとこれからはやっていけないのです。