労働衛生の専門家として認定される国家資格『労働衛生コンサルタント試験』に合格しました。
今後も職場の衛生環境の改善に適切なアドバイスができるように努力研鑽していきたいと思います。
労働衛生コンサルタント試験の合格のためには近道はありませんが、一般社団法人 労働安全衛生コンサルタント会の口述試験対策講座を受講されることをお勧めいたします。大変よくまとまったテキストをいただくことができます。
ご参考までに、口述試験時の様子を記載しておきます。
≪労働衛生コンサルタント口述試験・体験記≫
2018年1月末日、試験時刻30分前に試験会場(有楽町国際フォーラムG6階)に到着。
受付を済ませて控室で待機。他の安全コンサルタント試験(化学、機械等)の受験者も多い。
「保健衛生」で時間5分前に呼び出しあり、時間通りに試験が始まる。
3名の試験官。私(受験者)から見て、真ん中が60代後半の産業衛生の名誉教授クラスの先生。右側は50代後半の大学教官、左側は40代くらいの若めの行政官?名誉教授の先生は、質問がやや難しい(労働衛生現場のややマニアックな質問傾向)のだが、うまく答えきれないところを答えを引き出そうという対応をされていた。質問数は結構多く、あっという間に試験時間の15分間が過ぎた感じだった。
<質問項目Qと私(受験者)の回答A>
(カッコ内は質問をされた先生の着席位置を示しています)
1.産業医の経験は(真ん中):数社の産業医として本社機能(工場でなく、オフィス中心)での経験あり。 問題解決した経験は?:ディスプレーの断線による感電予防、階段での転倒(「具体的に?」の質問に答えて) 産業医以外に何かされている?:大学の教員をしています。(「ああ、そうね」と経歴を見ながら返事)
2.労働衛生コンサルタントとは(左):他者の求めに応じて、労働者の衛生の向上と診断・助言を生業とする者
3.産業医との違い(左):衛生委員会のメンバーとして、継続的、全体的な健康管理を行う。実践者であって、労働者の健康の問題があるときは(事業者に)勧告することができる。
4.長時間労働をさせる場合の事業者の法的問題(真ん中):労務管理、健康管理、産業医の面談を行っているかどうか?「本人が残業を希望するとき」:時間管理をする、健康問題が生じないかを把握する等。 実際の過重労働の問題を扱ったことは(右):うつ病などのメンタル問題は多い。復職時の配慮などを事業者にアドバイスする。身体的な問題は経験がない。 どうやって復帰につなげる?長引くことはないですか(右):復職前にリワークをしたり、軽減勤務をする、職務配慮をするなどをアドバイスする。
5.腰痛対策(右):代替手段(リフター、スライディングシート活用)、姿勢、作業人数、休憩場所の設置が作業管理で、作業環境管理として、照明、床面、作業空間、設備などの確認と健康診断や腰痛予防教育を行う。 作業環境上ではどうか?寒いとどうなるか?(真ん中):筋肉がこわばる。 6.作業環境上のDVTなどの対応(右):照度、作業時間、パソコンの設備や机や椅子の配置、休憩を取りながら行うように指導。
6.WBGT(右):Wet Bulb Global Temperatureで、「暑さ指数」。温度、湿度、輻射熱などを表す。0.7×自然湿球、0.2×黒球、0.1×乾球で計算する。室内は0.3黒球。
7.化学物質のリスクアセスメント(右):リスクの特定⇒評価⇒優先順位とリスク低減の方策⇒実行⇒労働者への周知の一連の流れ。 実際に行ったことは?:ありません。
8.有機溶剤の健康診断で異常値が出た場合。作業環境測定は問題なし(真ん中):作業方法を確認する。手袋をしていない、濃度が高いなど。 作業環境デザインとは:A測定やB測定があるが、濃度の平均値が管理濃度以下でも、濃度が高い場合がある。 他の要因:(・・・・)作業場以外での環境とか。「食べ物などどうですか?馬尿酸濃度が上がりませんか?」:果物で上がることは聞いたことがある。(イチゴや梅干し、清涼飲料水、風邪薬などで上昇することがある)詳細分からず、申し訳ございません。
9.管理濃度と許容濃度は?:管理濃度は管理の良しあしを測るもの。許容濃度は産業衛生学会などで決められているが、作業をしていても健康障害が生じないレベルのもの。 何か基準はあるか?例えば勤務時間で週何時間とか?:1日8時間週40時間を基準とします。
(最後に「はい、時間が来ましたので終了です」と名誉教授の先生がまとめられて終了しました。)
大体、ポイントを外さずに答えられていたと感じたが、産業衛生現場の実際の経験を求めている傾向はみられた。終了時は大体合格かな、とも思ったが、実際の評価は分からなかった。
メンタル的な、例えばストレスチェックに関する話題はなかった。専門分野はあえて外す、という感じだったか(試験官の専門分野がメンタル以外の産業衛生の専門家という印象だった)。
以上となります。